6月18日に発表されたメキシコの総需要と民間消費に関する経済データについて考察します。

総需要のデータ
定義
総需要は、経済全体の最終財・サービスの総需要を指し、消費、投資、政府支出、純輸出(輸出-輸入)を含む。
2025年第1四半期のデータ
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- 前年比(YoY):-0.2%
- 前期比(QoQ):-1.1%
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解釈
このデータは、メキシコの経済全体の需要が前年比でわずかに減少し、前期比でも大きく減少したことを示している。これは、経済活動が低迷していることを意味する。
背景
メキシコの経済は、2024年の政権移行後の不確実性や、グローバルな経済環境の影響を受けている可能性がある。特に、投資の減少や貿易の弱さが総需要に影響を与えたと考えられる(tradingeconomics.com)。
民間消費のデータ
定義
民間消費は、家計が財・サービスに支出する部分で、GDPの大きな割合を占める。
2025年第1四半期のデータ
- 前年比(YoY):-0.6%
- 前期比(QoQ):-0.4%
解釈
民間消費が前年比で0.6%減少し、前期比でも0.4%減少した。これは、家計の消費意欲が低下していることを示唆し、経済の低迷を裏付ける。
背景
民間消費の減少は、消費者信頼感の低下や購買力の減退、インフレーションの影響、または高金利による借入抑制が原因と考えられる。特に、2025年初頭の経済見通しでは、国内消費の弱さが指摘されている(tradingeconomics.com)。
以下の表に、 主要経済データをまとめます:
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指標 |
前年比(YoY) |
前期比(QoQ) |
備考 |
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総需要 |
-0.2% |
-1.1% |
経済全体の需要が低迷 |
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民間消費 |
-0.6% |
-0.4% |
家計支出の減少が顕著 |
経済減速の背景
政治的移行
2024年の大統領選挙後の新政権移行は、経済政策の不確実性を高め、投資や消費に影響を与えた可能性がある(americasquarterly.org)。
グローバルな経済環境
米国との貿易関係やグローバルな需要の減退が、メキシコの輸出と国内需要に影響を与えた。特に、トランプ政権の関税政策が懸念材料となっている(bakerinstitute.org)。
国内政策
政府支出の削減やエネルギーセクターの問題が、経済全体の成長を抑制している(dallasfed.org)。
インフレーションと金利
2025年第1四半期のインフレーション率は約3.6%と中銀の目標範囲(3%±1%)内に収まっていたが、消費者信頼感の低下が消費を圧迫した(reuters.com、riotimesonline.com)。
金利政策
メキシコ中銀(Banxico)は2025年第1四半期に金利を引き下げ、1月10.0%から3月28日に9.0%まで下げた。これは経済刺激を意図したが、消費の回復には至らなかった(countryeconomy.com)。
経済データと為替レートのギャップ
- 経済データの弱さ(総需要-0.2%、民間消費-0.6%)は通常、ペソに下押し圧力をかけるが、2025年第1四半期ではペソが強含んだ。これは、金利政策、インフレーションの安定、国際的な通貨動向、政治的安定性など、為替市場に影響を与える他の要因が存在することを示唆している。
- 特に、投資家のリスク選好やメキシコの比較的高い金利が、短期的な資本流入を促し、ペソを支えた可能性がある。
