2025年6月23日、日本時間午後5時(月曜日)、アメリカのイラン戦争介入が為替相場に与える影響を分析します。特に、ドルとスイスフランの買いに対し、円が売られている状況と、「有事の円買い」がどうなったかを分析します。
市場の概要
この日の為替市場では、米国がイランの核施設を攻撃した(日本時間6月22日)影響で、リスクオフの動きが強まっています。
具体的には、ドル/円のレートは147円近辺まで弱まり、1か月以上ぶりの円安水準となっています。
これは、「有事のドル買い」が優勢であることを示しており、ドルとスイスフランが安全資産として選ばれています。
円売りの背景
通常、国際的な危機時には円も安全資産として買われることが多いですが、今回はその傾向が見られません。その理由として以下の点が考えられます。
1. ドルの強さ:
アメリカが直接戦争に関与しているため、投資家はドルをより安全な資産と見なし、ドル買いが優先されています。
2. 原油価格の上昇の影響:
中東の緊張が高まり、原油価格が大幅に上昇しています。原油価格の上昇が日本の貿易赤字を拡大させる要因となり、円安を招くと指摘されています。
日本は原油の輸入大国であり、この影響は大きいと考えられます。
3. ポジションの解消:
以前の報道([shikiho.toyokeizai.net](https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/886289))では、2025年春に円買いポジションが過去最大水準に達していたとあり、今回の状況でそのポジションが解消され、円売りが進んでいる可能性があります。
市場の反応と今後の見通し
市場全体では方向感が欠け、経済指標や中央銀行の声明(例:日本銀行の会合、FOMC)に対する反応も限定的とされています(https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/ZJY2UOSHBNOO3M62O5EPX5SM3U-2025-06-22/)。
ドル/円の予想レンジは142–148円とされ、円買いポジションの圧縮が続くと見込まれていますが上値も限定的でしょう。
また、イランの報復行動やホルムズ海峡の閉鎖リスクが今後の焦点とされており、これらがさらに市場の神経質な動きを誘発する可能性があります(https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/ZJY2UOSHBNOO3M62O5EPX5SM3U-2025-06-22/))。
結論
2025年6月23日の為替相場では、ドルとスイスフランの買いが目立ち、円は売られています。
これは、ドルの安全資産としての優位性と原油価格上昇による円安圧力によるものと考えられます。
「有事の円買い」は今回は見られず、市場の動きは複雑で、特定の通貨ペアや状況に依存しているようです。

戦争が混迷化した場合はさらに有事のドル買いが進んでしまうかもしれない。


