IPCはメキシコ証券取引所で取引される主要企業の株価を基に算出される主要指標で、メキシコの経済状況や投資家の信頼感を反映します。
(CNBC)
1. FOMCの金利据え置きとその影響
決定内容
6月18日、FOMCは政策金利を4.25%~4.50%に据え置き、経済活動の堅調さとインフレーションの高止まりを考慮しつつ、経済見通しに関する不確実性を強調しました(CNBC)。
市場への影響
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- 米ドルの弱含みが進み、EUR/USDは1.1500を超え、GBP/USDは1.3480付近で高値を試しました。
- グローバルな市場では、FOMCの慎重な姿勢が安定感を高め、メキシコ株もその恩恵を受けたと考えられます。
2. メキシコの先行経済指標(LEI)の上昇
データ内容
5月のLEIは前月比で0.3%上昇し、6か月間の減少率は1.4%にとどまりました(前回の6.2%減から改善)。この上昇は、ペソの対ドルでの上昇と株価の上昇が主な要因で、建設セクターの工業生産の改善と米国の連邦資金調達コストの低下も寄与しました(Conference Board)。
市場への影響
LEIの上昇は、経済活動の回復兆しを示唆し、投資家の信頼感を高める可能性がありました。これは、メキシコ株市場の小幅な上昇を支える要因となったと考えられます。
3. Fibra NextのIPO再開
ニュース内容
メキシコの不動産投資信託(Fibra Next)が4億2200万ドルの資金調達を目指し、IPOを再開しました(Reuters)。
市場への影響
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- IPOの再開は、市場の活性化を示し、特に不動産セクターへの投資意欲を高める要因となりました。
- これは、メキシコ経済全体の成長期待を高める可能性があり、株価に好影響を与える可能性がありました。
4. 貿易政策の動向(TerniumのUSMCA強化要求)
ニュース内容
鉄鋼メーカーのTerniumが、関税の影響を背景にUSMCAの強化を求めました(Reuters)。
背景
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- 米国との貿易関係は、メキシコ経済にとって重要であり、関税の影響は製造業や輸出セクターに直接的な打撃を与える可能性があります。
- Terniumの要求は、貿易政策の不確実性を強調するもので、市場に一定の警戒感をもたらす可能性がありました。
市場への影響
ただし、USMCAの強化は長期的な安定性を提供する可能性もあり、市場参加者によってはポジティブに解釈される場合もありました。
5. IPC指数の市場動向
データ内容
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- 6月18日、IPC指数は56,729.57で取引され、前日比で0.09%上昇(52.75ポイント上昇)。
- 過去1か月間では3.02%下落したが、過去1年間では6.39%上昇。
- 過去最高値は5月に59,719.61ポイントを記録。
構成銘柄の動向(6月18日のデータ)
- 上昇銘柄: Grupo Mexico(+1.74%)、Inbursa(+1.22%)、Grupo Carso(+4.59%)など。
- 下落銘柄: GRUMA(-1.68%)、Alfa(-2.14%)、Arca Continental(-0.69%)など。
- 市場キャップ上位: Grupo Mexico(43.63B)、Banorte(23.74B)、Arca Continental(17.97B)。
以下の表に、主要構成銘柄の6月18日の動向をまとめます:
銘柄 |
価格 |
日次変化 |
年間変化 |
市場キャップ (B) |
Grupo Mexico |
108.85 |
+1.74% |
+14.40% |
43.63 |
Banorte |
170.02 |
+0.16% |
+15.98% |
23.74 |
Arca Continental |
197.91 |
-0.69% |
+10.68% |
17.97 |
Inbursa |
48.27 |
+1.22% |
+11.76% |
15.45 |
Grupo Carso |
131.84 |
+4.59% |
-3.54% |
14.75 |
市場への影響
小幅な上昇は、FOMCの決定やLEIの上昇などの好材料が市場に安定感をもたらしたことを示唆しています。
まとめと注意点
- 6月18日のメキシコ株市場は、FOMCの金利据え置き、LEIの上昇、Fibra NextのIPO再開、そして貿易政策の動向といったファンダメンタルズ要因によって影響を受けました。
- これらの要因は、市場に安定感をもたらし、IPC指数の小幅な上昇につながったと考えられます。
- ただし、貿易政策の不確実性やグローバルな経済状況は、今後の市場動向に引き続き影響を与える可能性があります。